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歯周病と喫煙。
喫煙は,肺癌のみならず多岐にわたり健康を損なうことが,明らかにされつつあります。
多くの疫学調査から,人種を問わず喫煙は歯周病の環境因子からみた最大のリスクファクターとしての
強い関連性が示されており,喫煙者は非喫煙者に比べて2 ~ 8 倍,歯周病に罹患しやすいことが報告されています。
歯を失う原因の1位はむし歯ではなく、歯周病によるもので、その割合は全体の約4割を占めます。
喫煙は血中のニコチンは,毛細血管の収縮作用があることが知られており,
臨床的特徴の一つとして喫煙者では非喫煙者に比較して,歯周病検査の一つであるプロービング時の出血が少なく発赤も弱く症状が現れにくく
患者本人にも自覚症状が出にくいのが特徴です。
喫煙は歯周病の治癒を遅延させるため,歯周治療に対する反応は喫煙者のほうが非喫煙者に比べ低下していることが示されています。
しかしながら,重度の喫煙歴のある人でも,禁煙することで歯周病に対するリスクが低下することが知られています。
そのため,喫煙者の歯周治療には禁煙が必須であることを十分に説明するのは私たち歯科医師、衛生士の仕事ですが、患者さんの協力も必要です。
今一度ご自身の私生活を見直し歯周病に対する対策を心掛けましょう。
歯科医師:舩本